非行の問題で、カウンセラーがこの子をこれからどうやって立ちなおらせていこうかと思っているときに、教師が、「これは非行少年だからどうしようもない」とか、「こんな非行少年はほっておいたほうがましだ」と思っていたりしたら、すごくやりにくいわけです。
教師には、「早く卒業して、いなくなってくれないかな」と思っている人もありますし、親のほうでもサジを投げてしまっているところがあります。フつちの子は精神病だと思います」などと平気で言う親もいます。そのときに、こちらが「いや、違いますよ」と言うと、親はすごく不機嫌になる。
これは、精神病だと言ってもらったほうが、親の気が楽になるからです。自分は正しいのに、子どもが精神病だからうまいこといっていないと思いたい。自分のサジ投げを正当化したいわけです。
つまり、金城さんが言われるように、「かかわる者のクライエント像が病んでいる」わけです。また、子どもの側でも、自分の親は精神病だと思いたい。だから、私たちがそれは違うと言うと、今度は子どもの機嫌が悪くなる。
そういうときは、全体をすりあわせていくことが大事になってきます。これに失敗した心理療法家は、「自分がせっかくこの子のいいところを見ようとしているのに、教師が非行少年あつかいするからだめだ」などと、教師の悪口を言うようになります。未熟な療法家ほど、「せっかくスクール・カウンセラーで行っだのに、校長の理解が得られない」などと嘆きます。
教師も、親も、すべて含めていくのがカウンセラーの役割ですから、これではカウンセリングになりません。そういうのをすべて込みでやるのが心理療法家であり、心理療法家はそのためのプロなのです。
たとえば、担任の先生が「あれは非行少年だからどうしようもない」と言ったら、「ほう、そうなんですか」と言って、それに耳を傾けて聴く。教師が非行少年はいかにあつかいにくいかということをとうとうとしやべりますから、それを「ふんふん」と感心しながら聞いて、それから、「それにしても、先生、なんとかならんでしょうかね」と言ってみると、おもしろいもので、突き放していた教師のほうから、「いや、こんないいところもちらっと見えたりするんですよ」などと言うようになります。そうしたら、すかさず、「さすが先生、生徒のことをよく見てますな」と感心していたら、その先生も変わってきます。
教師や親のイメージを無理に変えようとしても変わりません。このように相手の力を利用して対処していくと、向こうから自然に変わっていくのです。
人間というのは関係の中に生きていますから、全体の中でイメージを合わせていくということがかんじんだし、一人が変わることで、全体が変わってきたりします。そのためにも、心理療法家は全体が見えていなければならないのです。
2012年6月21日木曜日
2012年5月16日水曜日
アメリカは「オーガニゼーション」から「フリーエージェント化」になりつつある
ピックさんは、時代は転換していて、何十年もアメリカ経済を象徴してきた「オーガニゼーション」から「フリーエージェント化」になりつつあると主張します。ウィリアム・H・ホワイトの「オーガニゼーション・マン」は、私も大学の経営管理論か何かのテキストとして読んだ記憶があります。
「オーガニゼーション・マン」は、日本風にいえば「会社人間」です。アメリカの大企業もまた、かつては終身雇用、安定した給料、医療保険や企業年金などの保障を従業員に与えていました。
これは「企業は家庭だ」というような家族的温情主義(ス夕-ナリズム)を背景にしており、それに対して、従業員は人生を通じての会社への忠誠を誓い、一生懸命働いていたのです。
ところが、八〇年代、九〇年代の、M&A(企業買収)や競争の激化と大企業の経営悪化なとがら、家族的温情主義は捨てられ、人員削減やレイオフといった大リストラが進行します。
その中で、一人一人が幸せに生きていくためには、会社に依存するオーガニゼーション・マンからフリーエージェントに転換しなければならないと主張するのです。ピンクさんはフリーエージェント化の進行の理由として、企業の路線転換の他に、生産手段の個人化、組織の寿命が短くなっていること、そして多くの人々が仕事にやりがいを求めるようになってきたことをあげています。
「オーガニゼーション・マン」は、日本風にいえば「会社人間」です。アメリカの大企業もまた、かつては終身雇用、安定した給料、医療保険や企業年金などの保障を従業員に与えていました。
これは「企業は家庭だ」というような家族的温情主義(ス夕-ナリズム)を背景にしており、それに対して、従業員は人生を通じての会社への忠誠を誓い、一生懸命働いていたのです。
ところが、八〇年代、九〇年代の、M&A(企業買収)や競争の激化と大企業の経営悪化なとがら、家族的温情主義は捨てられ、人員削減やレイオフといった大リストラが進行します。
その中で、一人一人が幸せに生きていくためには、会社に依存するオーガニゼーション・マンからフリーエージェントに転換しなければならないと主張するのです。ピンクさんはフリーエージェント化の進行の理由として、企業の路線転換の他に、生産手段の個人化、組織の寿命が短くなっていること、そして多くの人々が仕事にやりがいを求めるようになってきたことをあげています。
アメリカのフリーエージェント人口は3300万人だそうだ
ピンクさんはクリントン政権で、九五年から九七年にゴア副大統領の首席スピーチライター(演説原稿を書く人)を務めたアメリカ政治の中枢部にいた人です。ストレスと過労で身体を壊し、ホワイトハウス勤めを辞めて独立しました。
自宅で仕事をするようになると、家族と過ごせる時間がとれてストレスも少なくなり、体調がよくなったと喜んでいて、その体験もあるのでしょうが、フリーエージェントを肯定的に捉えています。
アメリカのフリーエージェント人口は控え目に見て三三〇〇万人で、全米の労働者の約二四パーセントにあたると、ピンクさんは推計しています。他の経済誌や経済政策研究所は四OOO万人以上が非従来型の、常用されない労働者だといっています。
さらにある市場調査会社は、二〇一〇年にはアメリカの労働者の四〇パーセント以上がフリーエージェントになると予測しているそうです。
ピックさんは、フリーエージェント人口三三〇〇万人の内訳を、フリーランスが一六五〇万人、臨時労働者が三五〇万人、起業家がニニ〇〇万人としています。フリーランスとは自分の手に技能があって活動している人で、起業家とともに肯定的に捉えています。
また、臨時労働者は、多国籍企業の九割以上が常に使っていて、アメリカ経済に欠かせない存在になっていると分析していますが、その労働と生活は厳しいとも書いています。
自宅で仕事をするようになると、家族と過ごせる時間がとれてストレスも少なくなり、体調がよくなったと喜んでいて、その体験もあるのでしょうが、フリーエージェントを肯定的に捉えています。
アメリカのフリーエージェント人口は控え目に見て三三〇〇万人で、全米の労働者の約二四パーセントにあたると、ピンクさんは推計しています。他の経済誌や経済政策研究所は四OOO万人以上が非従来型の、常用されない労働者だといっています。
さらにある市場調査会社は、二〇一〇年にはアメリカの労働者の四〇パーセント以上がフリーエージェントになると予測しているそうです。
ピックさんは、フリーエージェント人口三三〇〇万人の内訳を、フリーランスが一六五〇万人、臨時労働者が三五〇万人、起業家がニニ〇〇万人としています。フリーランスとは自分の手に技能があって活動している人で、起業家とともに肯定的に捉えています。
また、臨時労働者は、多国籍企業の九割以上が常に使っていて、アメリカ経済に欠かせない存在になっていると分析していますが、その労働と生活は厳しいとも書いています。
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