2012年5月16日水曜日

アメリカは「オーガニゼーション」から「フリーエージェント化」になりつつある

ピックさんは、時代は転換していて、何十年もアメリカ経済を象徴してきた「オーガニゼーション」から「フリーエージェント化」になりつつあると主張します。ウィリアム・H・ホワイトの「オーガニゼーション・マン」は、私も大学の経営管理論か何かのテキストとして読んだ記憶があります。

「オーガニゼーション・マン」は、日本風にいえば「会社人間」です。アメリカの大企業もまた、かつては終身雇用、安定した給料、医療保険や企業年金などの保障を従業員に与えていました。

これは「企業は家庭だ」というような家族的温情主義(ス夕-ナリズム)を背景にしており、それに対して、従業員は人生を通じての会社への忠誠を誓い、一生懸命働いていたのです。

ところが、八〇年代、九〇年代の、M&A(企業買収)や競争の激化と大企業の経営悪化なとがら、家族的温情主義は捨てられ、人員削減やレイオフといった大リストラが進行します。

その中で、一人一人が幸せに生きていくためには、会社に依存するオーガニゼーション・マンからフリーエージェントに転換しなければならないと主張するのです。ピンクさんはフリーエージェント化の進行の理由として、企業の路線転換の他に、生産手段の個人化、組織の寿命が短くなっていること、そして多くの人々が仕事にやりがいを求めるようになってきたことをあげています。