2012年7月2日月曜日

日本にはないボーイング757

一八〇席クラスの双発機。経済性に優れているため、米国エアラインでは多用している。機体が大きいにもかかわらず旅客の歩ける通路が一本しがないため、通路での行き違いをしにくいこと、乗り降りに時間がかかることから、乗客の評判はいまひとつ。日本企業は採用していない。

国内線でおなじみのボーイング767

二〇〇席クラスに双発エンジンで経済性を重視して開発された。機内の通路が二本ある広胴機なので、エコノミー席でも座席は横に213-2列配置で動きやすい。東南アジア線や国内の準幹線で活躍している。欧米ではB767で中都市を結ぶ大陸間便が数多く就航している。

日本のメーカーも部分的に開発製造を担当し、エアラインでは日航と全日空が使用。座席数二三五席、航続距離四〇〇〇キロの-200と、胴体を延長し二七〇席、三三〇〇キロの300がある。

ただし巡航速度はマッハ〇・八〇と比較的遅い。最新型の1400ERは三〇五人の乗客を乗せて一万四〇〇キロを飛べるので、日本からニューヨークまでをギリギリながらノンストップで飛行できる。

国際線でも活躍の場を広げる「トリプルセブン」

B767の派生型から独立した機体なので外観は非常によく似ているが、双発機としては世界最大の旅客機。ボーイングとしては初めて操縦系統にフライ・バイ・ワイヤ方式を採用したハイテク機。

機体の開発にあたっては、エアラインから技術者が参加してユーザーの立場からの要望を反映した。機内にはゆとりスペースもあり、乗客の評判はよい。

日本では大手三社がそろって採用。三七〇席の標準型と、ジャンボ機並みの四七七人乗りの1300がある。ジャンボ機よりもひと回り小さいが、経済性にすぐれているためジャンボ機に置き換えられて就航する路線が増えている。

ERと命名された延長型の開発が進んでいる。二〇〇一年に就航する200ERは航続距離が一万六一六〇キロまで伸びるので、これまで日本で給油が必要だった米国東海岸から香港やマレーシアなどへの直行も可能になる。

300ER(航空距離一万三二八〇キロ)も二〇〇三年に就航予定。双発機ながらも長時間の洋上飛行を認められているので、今後は太平洋や欧州とのノンストップ路線にも積極的に使用されそうだ。